最先端技術を駆使した高度道路交通システムのこと。最新の情報通信技術を利用して慢性的な交通渋滞や事故などの問題解決を図ることを目的としている。日本ですでに始まっている交通情報通信システム(VICS)や、自動料金収受システム(ETC)をはじめ、走行車線を自動的に維持したり監視したりする車線維持装置、安全で効率的な自動運転が可能となる走行支援道路システム(AHS)など、さまざまなアプローチが行われている。これらの実現で交通渋滞の大幅な緩和が期待でき、都市部の二酸化炭素(CO2)排出量も削減可能となる。その具体的な成果として2009年2月に公開デモンストレーションが開催されたのが「ITS-Safety2010」で、ITS普及の現状と10年以降のタイムスケジュールを見ることができた。また、毎年秋にはこれらの技術を話し合うITS国際会議がアジア/南北アメリカ/ヨーロッパ・アフリカの3地域で順次開催されている。09年はストックホルム(スウェーデン)で開催され、10年は釜山(韓国)、11年はオーランド(アメリカ)で開催を予定。日本での開催は13年の東京となっている。