事業仕分けで、山のトイレ整備が立ち行かなくなる問題。1999年より環境省が行う「山岳環境等浄化・安全対策緊急事業費補助」により、国立公園内などの山岳地帯で山小屋等の事業者や自治体がトイレを設置する際、事業費1000万円以上の場合は国が費用の半額を補助していた。ところが2010年6月の事業仕分けでは、受益者負担、汚染者負担の原則から、建設費は利用料でまかなうべきだとの結論になり、補助は廃止と決まった。しかし、このところの登山ブームで山ガールや外国人の登山者も増え、登山客は増加傾向にある。また国民の共有財産である自然を守ろうと、従来型のトイレから、おがくずと体内微生物だけで排泄(はいせつ)物を分解し、水も使わず環境に優しいバイオトイレへの移行が始まったばかりなのに、時代と逆行するこのような措置は再考の必要がある。