2013年6月22日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が、富士山を世界文化遺産に登録することを決定。日本最高峰の富士山は、山岳信仰の対象として、あるいは文学や絵画などの芸術作品に描かれ、芸術文化を育んだ山として評価された。この影響で、富士登山(→「富士登山ブーム」)が脚光を浴び、登山者の大幅増加が予想されたが、環境省が登山者数を把握するため05年から8合目付近に設置している赤外線カウンターは、夏山シーズンの13年7月1日~8月31日までで約31万1000人となり、前年の約31万9000人をやや下回る結果になった。しかし、9月2日の閉山後も、静岡県側で1万人、山梨県側からも数万人が登ったと見られている。理由としては、多くの山小屋が9月下旬まで営業していることや、13年の初冠雪が遅かったこともあり、静かな富士山を楽しむ人が例年より多かったことなどが考えられる。だが、閉山後は急速に冬山化することや携帯電話の中継局撤去などで遭難の危険が高まることから、万全な準備と経験を必要とする。そのため地元警察に登山の日程・コース・メンバー・緊急連絡先等を記載した登山計画書を提出することが求められている。