現実世界の空間を移動して、ポケモンのキャラクターを探すスマートフォン用ゲーム。グーグルマップを利用した位置情報ゲーム「イングレス(Ingress)」をベースにしている。カメラが写す実空間にポケモンのCGキャラクターが重ねて描写されるため、拡張現実(AR ; Augmented Reality)型ゲーム(→「ARG」)の一種に分類される。2016年7月から、世界各国で順次リリースされている。発売元はグーグルの社内ベンチャーとして起業したナイアンティック。同社と任天堂、またポケットモンスターの開発と版権管理を行う任天堂の子会社、株式会社ポケモンの3社が共同開発した。ゲーム史上最速で1億件のダウンロードを達成するなど、ユーザー数・売上額ともに過去の記録を塗り替える歴史的なヒット作となった。ゲームに夢中になるあまり、自動車運転中にゲームをする利用者が後を絶たず交通事故が多発したため、2016年11月から運転中は操作不可能な仕様に改められた。ほかにも歩きスマホによる事故や立ち入り禁止区域への侵入、若年層の深夜徘徊など、さまざまな問題が生じた。一方で、外出しないと遊べないことから、うつ病や自閉症の改善に効果があるとされたり、さまざまなアイテムが手に入るポケストップの登録や、レアポケモンの出現イベント開催などにより地域振興に使われるなどの活用例もあり、功罪ともに数々の社会現象を巻き起こした。