短編アニメ「ほしのこえ」(2002年)を一人で作りあげた新海誠監督の作品で、04年11月に単館上映された長編アニメーション映画。謎の病で眠り続ける少女と、彼女を救おうとする二人の少年の奮闘を描く。かつてアニメはセルやカメラやフィルムなど専用機材と技術がなければ制作困難なものだったが、コンピューターとソフトウエアの性能向上と低価格化が進み、現在では個人や少人数での制作も可能になっている。同時にインターネットを利用することで発表や広報の場も広がり、インディーズ(自主制作・流通)のアニメ作品が新たな才能と市場の可能性を開拓しつつある。新海誠の作品は2Dアニメ(平面的な手描き映像)に一部3Dアニメ(コンピューター演算で立体を描いた映像→「3D-CGアニメ」)を併存させた作品だが、ほかにもフル3Dで制作した和風のサイバーパンク的作品「KAKURENBO」(森田修平監督)やセットに凝ったパペット・アニメーション(人形を少しずつ動かしてコマ撮りするアニメ)、「緑玉紳士」(栗田安朗監督)など、多彩なインディーズ作品が市場に登場している。