森見登美彦の小説を湯浅政明監督がテレビアニメ化。京都の大学生「私」がバラ色のキャンパスライフを夢見てサークルに入るが、悪友・小津のために必ず大混乱に陥る。毎回最後に人生がリセットされ、次の回は違うサークルでループが繰り返される。これはテレビならではの趣向で、2010年4月から全11話がフジテレビの「ノイタミナ」枠でオンエアされた。鴨川や京都大学など、緻密(ちみつ)な取材に基づくロケハンを行ったうえで風景を「絵」として大胆にアレンジし、「私」の饒舌(じょうぜつ)なモノローグを重ねる演出が特徴的だった。湯浅監督作品特有のシンプルだが力強いアニメーション作画や独特の色彩感覚が評価され、10年12月、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞をテレビ作品で初めて受賞した。