都内の農大を舞台にした石川雅之の学園マンガ。「イブニング」(講談社)に2004年の8月より連載開始。美術や医学ではなく農学というところが異色で、とりわけ細菌学の知識がちりばめられていて読ませる。物語の主人公沢木直保は、実家が造り酒屋で、細菌の姿が目に見えるという設定も奇抜だ。沢木は幼なじみとともに農大に入学、樹(いつき)教授や院生の長谷川遥、学科の先輩たちとともに騒動が展開していく。その騒動も、発酵や腐敗など細菌にかかわりを持つものばかり。読者は物語展開のおもしろさとともに、細菌学の知識を得ることができる。同作品は、08年「第32回講談社漫画賞一般部門」と、同年「第12回手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞した。