手塚治虫の代表作「鉄腕アトム」の一編「地上最大のロボット」を「MONSTER」(小学館)の作者、浦沢直樹がリメイクした作品。手塚の最大のヒット作に現代の人気マンガ家が挑戦するという点で、連載当初から話題になった。物語がこれからという時点にもかかわらず、2005年度の第9回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。内容は、プルートウというロボットがアトムも含めた世界の強豪ロボットを破壊していくという、原作の物語を踏襲。ただし、ドイツのロボット刑事ゲジヒトの視点から事件を追っていくという、ミステリー仕立てである点が異色である。描写もよりリアルでドラマチックになり、ロボットの生活描写にも力を入れることで、人間らしいイメージを付与している。03年9月より「ビッグコミックオリジナル」(小学館)に連載中。