2006年11月の京都国際マンガミュージアムのオープンや、同時期のマンガ事典「現代漫画博物館」(竹内オサム・米沢嘉博・ヤマダトモコ編、小学館)の刊行など、マンガ文化への研究的アプローチは盛んな気配だ。07年には京都の臨川書店が、マンガとアニメの研究叢書を刊行し始め話題に。マンガについての博士論文もすでに日本ではいくつか誕生している。そのような中、06年に竹内一郎の「手塚治虫=ストーリーマンガの起源」(講談社選書メチエ)がサントリー学芸賞を受賞、さまざまな批判を引き起こした。これもマンガの批評家、研究者が育っているゆえの現象といえよう。