2001年8月号から10年7月号まで「月刊少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)に連載された、荒川弘(ひろむ)によるファンタジー。舞台は錬金術が存在する架空の世界の大国「アメストリア」。主人公のエドワード・エルリックは、弟のアルフォンスとともに死んだ母を生き返らせるために、禁忌とされる人体錬成を行うが失敗。エドワードは左足を、アルフォンスは体を失ってしまう。エドワードは右腕と引き替えに、アルフォンスの魂をそばにあった鎧(よろい)に定着させたが、二人は大切なものを失ったまま成長する。12歳になり、国家錬金術師の試験に合格したエドワードは、失った体を取り戻すため、弟とともに「賢者の石」を探す旅に出る。壮大な世界観と魅力的な登場人物たち、幾重にも張り巡らされた伏線が、これまでになかった大河マンガを生み出した。2度のテレビアニメ化をはじめ、ゲームやフィギュアなどの商品化によって、ゼロ年代に最も成功したメディアミックス作品とも言われ、海外での人気も高い。04年に第49回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。なお、最終回掲載号が完売店続出となり、読めなかった読者のため、スクウェア・エニックスが9月号に再録するという異例の事態も起きた。