パソコンや携帯電話などのデジタルメディア向けに配信されるコミックのこと。2009年度には、日本での市場規模が457億円に達した。うち携帯電話向けは428億円で、現時点ではデジタルコミックの大半はケータイコミックであるといえる。1990年代のデジタルコミックは、CR-ROMなどのパッケージの形で流通していた。欧米ではオリジナル作品が盛んにつくられ、ノルマンディー上陸作戦前夜のフランスを舞台にした「戦場のテディ・ベア」(96年刊、フランスのindex+社)などが話題になった。2000年代に入り、パソコンの性能や通信環境が良くなるとともにネット配信が中心になっていく。また、03年にはKDDIがau携帯電話向けに、モニターサイズに合わせてコマを切り分けて読む現行スタイルの「ケータイマンガ」配信をスタート。短期間で読者を増やした。そして10年には、電子書籍リーダーとしても使える多目的デジタル端末「iPad」が発売されて、国内各社でも電子書籍端末の開発・発売が相次ぎ、パソコンやデジタル端末向けデジタルコミックの市場拡大が見込まれている。