特異な世界観や独特の構図などで熱狂的なファンを持つ荒木飛呂彦が月刊「ウルトラジャンプ」(集英社)で2011年6月号から連載中のマンガ。荒木が1988年から描き続けている「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの第8部に当たる。舞台は荒木のふるさと宮城県仙台市を思わせる架空の街・M県S市杜王町(もりおうちょう)。主人公の東方定助(ひがしかたじょうすけ)は記憶を失った青年で、シリーズの核となるジョースター家の血統であることを表す「星形のアザ」が首筋にある。大震災後の杜王町に突如出現した謎の巨大隆起物「壁の目」の近くで広瀬康穂によって発見され、病院に運ばれた定助は、康穂の協力により、わずかな手がかりから自分と因縁のある「吉良吉影」の名を知り、そこを端緒に自らの正体を探っていく。杜王町で過去に起きた事件の真相など、さまざまな謎がちりばめられており、未曾有(みぞう)の大災害の中で、主人公が自分を発見し、自分の役割を見つけていく壮大な物語として構想され、作品の冒頭には「これは『呪い』を解く物語──」という言葉がある。2013年12月5日、第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞に選ばれた。