「アンパンマン」の原作者で童謡「手のひらを太陽に」の作詞も手掛けたやなせたかしが、2013年10月13日に94歳で亡くなった。1919年高知県生まれ。東京高等工芸学校(現・千葉大学)を卒業後、東京田辺製薬宣伝部に入社。40年に召集され陸軍に入隊、復員後は高知新聞、三越宣伝部を経て53年からフリーとなる。マンガ家のほかに作詞家、舞台美術家、放送作家としても幅広く活躍した。73年にはサンリオから「詩とメルヘン」を創刊。自ら編集長を務め、同年からフレーベル館の「キンダーおはなしえほん」に「あんぱんまん」シリーズを掲載。同作は、88年に「それいけ!アンパンマン」(日本テレビ系)のタイトルでアニメ化され大ヒットした。自ら作詞したテーマソング「アンパンマンマーチ」は、2011年3月11日の東日本大震災後には、被災地を中心に人々を励ます曲として広く歌われた。また、社団法人日本漫画家協会の理事長、会長職を長く務め、マンガ界全体の発展にも寄与。94歳で亡くなる直前まで、第一線のマンガ家として元気な姿を見せていた。13年12月には、死の直前に戦争体験を語ったロングインタビュー「ぼくは戦争は大きらい」(小学館クリエイティブ)が刊行されている。