「黒子のバスケ」は、2009年2号から14年40号まで「週刊少年ジャンプ」に連載されていた藤巻忠俊のスポーツマンガ。12年秋、作者の母校で不審物が見つかったのを発端に、およそ1年にわたり、関連イベントの会場や同作のアニメ等を放送する放送局、2次創作が販売されるコミケ、関連商品のレンタルや販売をする店舗など、作者や作品に関係する500カ所以上に相次いで脅迫文や犯行声明文が送られた、というのが事件のあらまし。コミケでは「黒子のバスケ」関連サークルの参加制限という事態にまで追い込まれ、書店やコンビニなどからは商品が撤去された。警視庁は13年12月15日に犯人として、大阪市の元派遣社員渡邊博史を威力業務妨害の容疑で逮捕。容疑者は14年3月13日東京地裁での初公判で、「手に入れたくても手に入れられなかったもの」を全て持っている藤巻と自分の「人生があまりに違いすぎることから、事件を『人生格差犯罪』と命名していた」などと動機を説明していた。同年8月21日、東京地方裁判所で懲役4年6カ月の実刑判決が下されると、被告はこれを不服として一度は控訴したが、同年9月29日に取り下げたことから、判決が確定している。また、渡邊受刑者は、同年10月に、自らの手記「生ける屍(しかばね)の結末 『黒子のバスケ』脅迫事件の全真相」(創出版)を出版している。