ブドウの栽培、醸造、瓶詰めなどワイン造りのすべての工程で、できる限り自然を尊重した造り方をしたワイン。最も厳格なブドウの栽培法としてビオディナミ(biodynamie 仏、英語ではバイオダイナミクス biodynamics 生体力学)がある。化学肥料、殺虫剤、除草剤を使用せず、土壌の活力を取り戻す農法で、1920年代、オーストリアのルドルフ・シュタイナーが提唱した。最大の特徴はプレパラートと呼ばれる牛ふんや水晶などの自然界の調合物を用い、太陽や月の運行に合わせて作業を行うこと。フランスのロワール地方やアルザス地方から始まり、最近ではブルゴーニュでも広まっている。リュット・レゾネ(lutte raisonnee 仏 減農薬農法)や、ビオロジック(biologique 仏 有機農法)とは区別されるが、一般的には自然派ワインはこの3種類の農法で作られたブドウを使用したものをいう。いずれも土地本来の特徴がきちんとブドウに反映されることを目的とした農法である。また、自然派ワインの定義で重要なものに、酸化防止のための亜硫酸ガス(SO2)使用の是非がある。自然派においては亜硫酸ガスをできる限り(あるいは全く)使用しない。ただし、全く使用しないことにより味が劣化する場合もあるので、使用しないことが絶対条件ではない。