海藻に含まれる水溶性食物繊維で、昆布などのねばねばの成分である。食品の安定剤や増粘剤に使われるが、近年、レストランなどの料理でも使われることが多くなっている。例えば果汁にアルギン酸ナトリウムを混ぜて注射器に注入し、塩化カルシウム溶液に一滴ずつ落とすとイクラのように球体に固まった果汁になる。スプーンですくって静かに浸すと卵黄状に固めることもできる。これらは液体の周囲に薄い膜が張った状態で、形は保っているが口に入れるとすぐに溶ける。このような技法はデザートはもちろん料理にも利用され、ますます利用度は高まっている。同じように液状のものを固めることができるものとしてアガルアガル(agar-agar)という精製寒天も使用されている。これは80℃までの温度に耐え、オーブンで温めても溶けないのが特徴である。