キリスト教圏の祭事である、1月6日のエピファニー(Epiphanie 仏 公現祭)のお菓子。この日に東方の三博士が星に導かれてベツレヘムを訪れ、イエスの誕生を祝ったといわれ、フランスでは、お祝いの印としてガレット・デ・ロワ(王様のお菓子)を切り分けて楽しむ。各地方によって少しずつ違うが、ポピュラーなものはパイ生地にアーモンドクリームを詰めて焼いたシンプルなパイ菓子で、上に王冠の飾りを乗せたもの。中にフェーヴ(feve 仏 そら豆の意)と呼ばれる陶器の小さな人形が隠されており、切り分けた際にフェーヴが当たった人は紙で作った飾りの王冠を被り、一日王様になれる。フランスでは菓子屋でこのガレット・デ・ロワを買うのが1年の始まりで、1月1日14時に売り出すのが習わしになっている。この菓子を手にするために行列ができることも珍しくない。日本のパティシエ(patissier 仏 菓子職人)たちも修業先で体験したその風習を取り入れて、ガレット・デ・ロワを置く店が増えている。