本来甘いと思われているスイーツに塩味をきかせたもの。日本でのブームのきっかけはフランス北西部ブルターニュ地方で生まれたキャラメル・オ・ブール・サレ(caramels au beurre sale 仏 塩味のバターキャラメル)で、30年ほど前に開業したお菓子屋さんが考えたお菓子。この地方の名産品は乳製品やゲランドの塩など。塩を足すのではなく、有塩バターを使うのがポイント。その味を現地で修業したパティシエ(patissier 仏 菓子職人)たちが日本に紹介、それが口コミで広まり、大手メーカーも商品化に乗り出してチョコレート、アイスクリームなどにも塩味が登場した。日本古来の和菓子では塩味と甘い味が共存するお菓子は珍しくない。甘味を引き立てるために、塩味をアクセントにすることが効果的だというのは、桜餅に桜の葉の塩漬け、おしるこに塩昆布、塩ようかんなどでもおなじみ。ただし洋菓子に関しては今まで紹介されることはまれだった。ブームの一因として、2002年に塩の輸入が自由化され、海外の塩に対する関心が高まったことも挙げられる。