フランスのタイヤメーカー、ミシュラン社が発行しているホテルとレストランの格付けガイドブック、「ミシュランガイド」の東京版。「ミシュランガイド」は1900年、車で旅行をする人のために、宿やレストランの情報を提供するガイドブックとして刊行された。その後、26年に星で格付けをするスタイルになり、30年代には2ツ星、3ツ星がつけられるようになった。匿名調査による格付けが信頼性を高めており、店にとっては営業にも影響するため、フランスでは毎年、発売日はニュースになるほど。フランスだけでなく、イタリア、イギリスなど各国でガイドブックを刊行しており、2007年までに21カ国、18種類のガイドを約100カ国で発売している。08年度版ではアジア進出の足がかりとして「東京版」を発行。東京の調査員はヨーロッパ人3人、日本人2人で構成され、約1年間、訪問調査を行い評価。その結果、3ツ星には8店、2ツ星には25店、1ツ星には117店が選ばれた。話題性も手伝って、発売日直後に初版15万部が完売したが、その内容は既存のミシュランとは多少趣が違う。フランス版では「星なし」も数多く掲載されているが、東京版では全部で150店と少ない上、掲載店すべてに星が付き、それぞれ写真と紹介文がついている。なお、ミシュラン社では、フランス語による旅行ガイドシリーズ「ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン(MICHELIN Voyager Pratique Japon 仏)」を07年4月に刊行している。