ピッツァ発祥の地と言われる、イタリア南部・ナポリスタイルのピッツァのこと。日本ではアメリカ経由で広まったので、一般には「ピザ」と呼ばれていたが、10年ほど前から本場であるナポリの「ピッツァ」を出し始める店が増えてきた。ナポリ・ピッツァの特徴は生地にある。コルニチョーネ(Cornicione 伊)と呼ばれる縁の部分がしっかりとふくらみ、表面にほどよく焦げ色がついている。生地の表面はサクッと、かみ締めるとモチモチしているのが特徴。アメリカンスタイルのピザは、チーズや具材がたっぷりと載っているが、ナポリスタイルのピッツァは生地を味わうため、具材は比較的あっさりしている。ナポリでピッツァが誕生したのは1660年頃とされ、最初はトマトを使わない簡素なものだったという。1750年頃になって、「マリナーラ(marinara 伊)」というトマトソースを使ったピッツァが登場し、1850年頃、「マルゲリータ(margherita 伊)」という、トマトソースとモッツァレラチーズのピッツァができた。どちらもナポリ・ピッツァを代表する基本のもの。ナポリでは、古典的なピッツァを守ろうという動きが出て「真のナポリピッツァ協会(Associazione Verace Pizza Napoletana)」が1984年に発足、2006年11月に日本支部もできた。イタリア人お墨付きの本格的な店が増えてきたことも、近年のブームの一因となった。