減圧下で調理すること。スペインのバレンシア大学と料理人の共同開発で誕生した「ガストロバック」という鍋が、世界中のシェフたちの間で話題。鍋の中を減圧状態にすることで、低温でも、高温で加熱したときと同じ効果が得られる。たとえば、気圧0の状態では液体は100℃で沸騰するが、山上など気圧が低いところでは低い温度で沸騰するのと同じ原理である。これにより、素材の色や食感などを保つことができる。また、減圧下で過熱すると、素材の表面に無数の穴が開いた状態(多孔質)になり、そこにダシや調味料などの味が浸透しやすくなる。減圧と常圧の状態を繰り返し調理することで、素材を生かしながら味をしみ込ませることが容易になる。現在はプロの料理人の間で広まりつつある技術だが、将来的には家庭でも使用されるようになると予想される。