和牛の種類で、正式には日本短角牛という。日本固有の品種として認定されている和牛は4種あるが、圧倒的に有名なのは霜降りの黒毛和牛。黒毛和牛は脂肪交雑に優れ、いわゆるサシの入ったやわらかく、甘い肉。それに対して短角牛は、赤身が特徴で、サシが入らずあっさりとして、かみしめて味わう肉。近年、料理人の間では、牛肉本来の味わいが出せると、短角牛に人気が高まっている。短角牛は、東北地方の南部牛(役牛)とショートホーン種の交配を重ね、1872年に誕生。現在は、岩手、青森、北海道などで飼育されているが、生産者が減っているため供給量は少ない。一般の消費者ではなく、レストランを中心に供給されている。黒毛和牛と違い、肉質があっさりしているので焼き方が難しく、焼きすぎるとパサパサになり持ち味が生かせない。料理人の腕も問われる素材だ。