東京や大阪などの都市部ではなく、地方で注目されているイタリア料理店。日本におけるレストラン文化もヨーロッパ同様、都市部集中ではなく、地方で独自の発展をしつつある。その多くが、地元の素材を使った地産地消を掲げるイタリアン。スローフード運動の広がりとともに、地方にある素材で、地方ならではの料理を提案するレストランが増えてきている。特に素材を生かすイタリア料理は、その土地柄を生かして、地元野菜や魚介、肉類などを取り入れている。山形県の「アルケッチャーノ」はその先駆者的存在で、庄内野菜を使ったイタリア料理をめがけて全国からわざわざ食べに来る人が絶えない。ひとつのレストランの成功が、農業、漁業、畜産業などをも活性化する現象は、低迷する地方産業の発展に対する期待として注目されている。