「乾燥熟成」させた牛肉のこと。アメリカやオーストラリアなどでは赤身牛をおいしく食べるために肉の熟成を行う。その際、従来日本で行われている熟成と大きく違うのは温度、湿度を調整すること。保管庫内に扇風機などで風を起こし、乾燥状態を保っている。さらに肉をおいしくするには微生物の作用が必要だといわれている。ドライエージングビーフがおいしいとされるのは、熟成によってやわらかくなり、独特のリンゴのような香りの発酵フレーバーが生まれること。アメリカはその技術に先んじているが、日本にそのまま取り入れてもこの微生物の違いから同じようにはできない。そこで日本独自の研究が必要とされ、ドライエージングビーフへの関心が高まる中、2009年7月に「日本ドライエージングビーフ普及協会」が設立された。霜降り和牛に特化した日本で、赤身牛のおいしさをどう広めていくか。料理人からも大きな期待が寄せられている。