料理や飲み物に料金を支払うのではなく、15分ごと、30分ごとなど、滞在時間に応じた料金を支払うシステムの居酒屋。居酒屋市場は20年間で3割減という衝撃的な縮小市場と言われ、今後も回復の兆しは見られない。その理由は、若年層の飲酒離れ、飲酒人口自体の減少、景気の低迷、居酒屋以外の飲食店の多様化にある。そんな中、居酒屋業界は年々、低価格競争を続け、さまざまな手法で話題をとってきた。そのひとつとして、つまみ、飲み物すべてが均一価格の居酒屋。300円、280円、250円とその価格自体を引き下げてきたが、すでに限界を迎えた感がある。続いて登場したのが、無料サービス。つまみを一定金額以上注文すれば、ビール、焼酎、日本酒など飲み物はすべて無料。居酒屋で酒が無料という画期的な発想に注目が集まった。そして、最初の1時間は1500円で食べ放題(プラス300円で)飲み放題、その後15分ごとに350円(飲み放題は425円)、といった課金システムを導入する居酒屋も出てきた。もはや居酒屋で時間をつぶす、という時代ではない。むしろ居酒屋の利用目的が手軽に手早く、お腹を満たすという“食堂”系に移行している。