特別な豆を使ったコーヒーのこと。20世紀の半ばまでコーヒー市場は、大量生産、大量消費を目標としていた。そのため大手企業が、質より量を重視し豆の取引も大手に有利なようになされていた。しかし1970年代の「スターバックス」の登場によって、味にこだわったコーヒーが注目され、そのため特別なコーヒー豆への関心が高まった。つまり、産地、農園、採取、精製などにこだわった豆を使ったコーヒーが注目されるようになったのである。さらに、国際的な評価基準で豆の味を評価する「カップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence)」や、アメリカスペシャルティ協会(SCAA Specialty Coffee Association of America)の基準が、コーヒーの味にグローバルスタンダードをもたらした。評価される豆は、個々の農園の豆でシングル・オリジンと呼ばれるもので、ブレンドではなく、個性をそのまま味わえる単一産地の豆である。スペシャルティコーヒーとは、こうしたシングル・オリジンの豆を使い、味わいを追求したコーヒーのことを言う。