やり投げとともに古代ギリシャのオリンピア競技でも行われていた伝統の投てき種目で、当時の彫像も残る。中心部がやや厚い木部を鉄の枠で囲った円盤(重さは男子2キロ、女子1キロ)を、直径2.5メートルのサークルから約35度のライン内に回転して投げて飛距離を競う。弱い向かい風で記録が伸びるとされる。体格がものをいうため、日本選手が最も苦手とする種目。ただし、女子はオリンピックで第二次世界大戦前に3人が入賞、戦後も1952年ヘルシンキ大会で吉野トヨが4位に入った実績がある。世界的には68年メキシコ大会までオリンピック4連覇のアル・オーターなどアメリカ勢が強かったが、近年では東欧勢が上位を占める。世界記録(男子74メートル08、女子76メートル80)はいずれも、組織的な薬物使用が行われていた東ドイツ(当時)選手が80年代後半にマークしたもので、いまも破られていない。