元プロ野球選手が短期間の座学研修などで高校、大学の指導者になれる制度が2013年7月に導入され、2年以上の教諭歴が必要だった従来の規定に比べて大幅に門戸が開放された。資格回復希望者はプロ側の日本野球機構(NPB)による1日間の研修を受け、筆記テストと審査を通過することが第一段階。その後に日本学生野球協会が実施する2日間の研修を受講し、同協会の適性審査をクリアすれば学生の指導が可能になる。1961年にプロ側が社会人選手を一方的に引き抜いた「柳川事件」をきっかけにプロとアマの関係が悪化したが、プロ野球選手が2003年から実施している高校生指導のシンポジウム「夢の向こうに」を通じて、全国で交流を深めてきた誠意が実った。従来の規定では、元プロ野球選手が高校生を指導するためには、原則として高校の教諭や臨時講師として通算2年以上在職し、学生野球協会による適性審査を通過する必要があった。