[一言で解説]
裁判で知った秘密を他人に漏らしてはならないこと。裁判員の任務を終えた後も、一生義務を負う。違反すれば、6カ月以下の懲役刑か50万円以下の罰金刑に処せられる。
[詳しく解説]
なぜ、裁判員は守秘義務を守らなければならないのでしょうか。第1に、裁判員は、刑事裁判で、証拠を通じて関係者のプライバシーを知る立場にあります。そこで、他人に知られたくない情報を、裁判員が漏らさないようにして、関係者のプライバシーを保護することにしました。第2に、評議において、誰がどういう意見を述べたか、どういうことが議論されたかも、守秘義務が課せられます。評議とは、裁判官と裁判員が、どういう判決を出すかを話し合うことです。誰がどういう意見をいったかが後で知れわたるのをおそれて、自由に議論できなくなるのを避けるために、守秘義務を負わせました。ただ、第2について特に、どこまでならしゃべっていいのかはっきりしないこと、ついしゃべっただけで懲役刑になるのは重すぎること、裁判員制度が信頼されるには評議内容を国民が議論できたほうがいいことなど、批判が強いところです。
(関連項目)
→評議