[一言で解説]
捜査は、犯罪が行われたと捜査機関が判断したときにスタートする。捜査とは、刑事裁判にむけた準備活動として、被疑者や、犯罪の証拠を発見し、それを集めて確保しておく活動である。
[詳しく解説]
たとえば、火事が起きたときに、警察は事件と事故の両方で調べを進めます。そしてもし、事件、すなわち何者かの放火によって火事が起きたと思われるときには、放火事件の捜査が始まります。捜査というと、犯罪の鎮圧や被害者の救出などの面が強調されて報道されます。ですが、刑事手続きという点から捜査を見ると、それは刑事裁判の準備活動なのです。刑事裁判を開いて有罪か無罪かを判断するには、犯人と疑われる人と、犯罪が行われたことを裏付ける証拠が必要です。そこで、捜査機関は、犯人と疑われる人が逃亡しないように身体を確保(逮捕・勾留)したり、犯罪を裏付ける証拠を集めて確保(捜索・差押え等)したりすることが行われます。法が捜査に求めているのはむしろ、このような刑事裁判のための準備活動という側面なのです。
(関連項目)
→刑事手続き