[一言で解説]
裁判官は、裁判所で裁判の仕事をする公務員である。最高裁判所の裁判官と下級裁判所の裁判官に分けられる。裁判員裁判を行う地方裁判所の裁判官は、その多くが、司法試験に合格し、司法修習を経て任官している。
[詳しく解説]
裁判官には、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事、判事補、および簡易裁判所判事の6つがあります。このうち、裁判員裁判が行われる地方裁判所の判事は、多くが判事補から任用されます。ほかにも、法律関係の大学教授や、弁護士、検察官から採用することもありますが、いずれにしても、法律の世界一筋に経験を積んできた人が判事になります。判事補は、司法試験に合格し、司法修習を終えた人から採用されます。かつての司法試験では社会人も比較的多く合格していましたが、2004年に法科大学院制度が始まって以降、社会人で法律家を志望する人はめっきり減ってしまいました。
裁判官になる人の経歴は、このように、限られた世界で活躍してきた人なのです。だとすると、そのような裁判官に市民感覚を求めることには限度があります。無作為に抽出された市民が裁判員として刑事裁判に参加する裁判員制度は、裁判官のこのような経歴からもうなずけることです。
(関連項目)
→判事/判事補