[一言で解説]
捜査に携わる人が違法な手段で集めた証拠。証拠能力が認められない場合もある。
[詳しく解説]
憲法や刑事訴訟法は捜査手続きを規制した法です。では、法の手続きを守らないで集められた証拠はどう扱われるべきでしょうか。違法に集められた証拠だからといって、物自体の性質、形状に変異を来すわけではありませんから、証拠として採用してよいと考えることもできます。しかし、それでは捜査官が法の手続きを無視してでも証拠を集めようとしてしまいます。そこで、違法捜査を抑止するために、違法に収集した証拠には証拠能力が認められないと考えられています。ただ、ちょっとした手続き上のミスで決定的な証拠が排除されてしまうと、裁判で真実を明らかにできなくなるおそれもあります。1978年の最高裁判所判例は、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠と認めてしまっては将来の違法捜査が抑制できなくなるような場合に限って、違法収集証拠を排除しています。
(関連項目)
→証拠能力