[一言で解説]
証拠としての資格。法廷では、資格のある証拠だけが証拠として採用され、取り調べられる。
[詳しく解説]
法廷で取り調べられる証拠は、証明しようとする事実を明らかにするのに役に立たなければならないものであるのは当然ですが、それだけでなく、証拠としての資格を備えていなければ、法廷から排除されます。たとえば、伝聞証拠のように、裁判官や裁判員が事実を誤って判断するおそれがある証拠は証拠能力がなく、法廷から排除されます。また、違法に収集された証拠も、たとえそれが事実を証明する力(証明力)があっても排除されます。任意性のない自白も同様です。そのような事情がない証拠が、証拠能力のある証拠として法廷で取り調べられることになります。証拠能力が必要とされる理由は、事実を誤って判断するおそれがあること(伝聞証拠)、証拠として認めてしまうと違法捜査を予防できないこと(違法収集証拠)、自白を強制する捜査が行われてしまうこと(自白法則)など様々です。