いくらぴたりと合わせようとしてもだめな蓋もあれば、なんの細工もしないのに、どんぴしゃりに合う蓋もある。人にも物にも、うまくゆくものと、そうでないものとがあるが、いつかはそれ相応のものが出てくるのだから気長に待つことが肝要だという教え。
〔類〕蓼食う虫も好き好き
〔出〕俳諧(はいかい)・毛吹草(けふきぐさ)
〔会〕「片山さん、こんどの奥さんとはうまくいってるみたいね」「合わぬ蓋(ふた)あれば合う蓋ありでね。惚(ほ)れた腫(は)れただけじゃないんだな、人間は」