もとは知らぬ者どうしが、雨をよけて一本の樹木の陰で身を寄せ合い、あるいは同じ河の流れをすくって共に水を飲むのも、前世からの因縁であり仇(あだ)やおろそかに考えてはならない、というたとえ。
〔類〕一樹の陰も他生の縁/袖すり合うも他生の縁
〔会〕「一樹の陰一河の流れも他生の縁と申します。以後どうぞご昵懇(じっこん)に、ですって。お隣りに越してらした方、むずかしいあいさつしてったわよ」「なんでもどこかの大学の先生らしい」