(「他生」は、この世に生を受ける以前にいた世をさす) 見も知らぬ人と道で袖が触れ合うような、ちょっとしたことも、すべて仏教でいう深い因縁によるものであることにたとえる。
〔類〕一樹の陰一河の流れも他生の縁/躓(つまず)く石も縁の端
〔出〕歌舞伎(かぶき)・名歌徳三舛玉垣(めいかのとくみますのたまがき)
〔会〕「こんど結婚する彼氏とは、どうやって知り合ったの」「それがね、満員の通勤電車のなかで、彼のことを痴漢と勘違いして。それが縁で付き合い始めたの」「あらあら、袖すり合うも他生の縁ね」