背中に負うた子より、まず目の前に抱いた子をあやすのを先にするように、離れているものより、身近にあるものを先に片づけるのが人情である、ということにたとえる。
〔類〕背に腹は代えられぬ
〔出〕浄瑠璃(じょうるり)・傾城島原蛙合戦(けいせいしまばらかいるがっせん)
〔会〕「田舎のお母さんにと思って買ったんだけど、どうかしらこのブラウス」「負うた子より抱いた子という。親孝行もいいが、たまにはいっしょに暮らしているおれのことも考えろ。一年間同じ背広着ているのは会社でおれくらいのもんだぞ」