目的を忘れないために、薪(たきぎ)の上に寝たり苦い胆(きも)をなめたりして、自分に試練を課することをいう。中国の春秋時代、越(えつ)との戦いに敗れて戦死した呉王・闔廬(こうりょ)の子・夫差(ふさ)は、父の仇(あだ)を忘れないために、薪に臥(ふ)して苦労を重ね、ついに越王の勾践(こうせん)を撃破し、会稽山(かいけいざん)に降伏させた。いっぽう許されて帰国した勾践は、常に、苦い胆を室内にかけておき、それを嘗(な)めては会稽の恥辱を忘れぬように努め、ついに夫差を下したという故事による。
〔類〕会稽の恥
〔出〕史記(しき)/呉越春秋(ごえつしゅんじゅう)
〔会〕「小島のやつの猛トレーニングぶりには驚きましたよ。2軍に落とされたのが、よほど悔しかったんでしょうね」「ああ、今は臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の時だ。あの調子なら、来年はきっとエースの座に返り咲くだろう」