古来の習慣をかたくなに守り通して、融通の利かぬことをいう。中国の宋(そう)代の農民が、木の株に兎がぶつかり斃(たお)れるのを見て、手を煩わさずに兎を得ることができた。いらい後生大事に、切り株のそばで兎の来るのを待ち続けたという故事による。
〔類〕琴柱に膠す/剣を落として舟を刻む/守株/能なしの能一つ/柳の下にいつも泥鰌(どじょう)はいない
〔出〕韓非子(かんぴし)
〔会〕「社長、このままではライバル会社に追い越されます」「心配するな。わが社の技術はまだ高い」「いえ、新技術の立ち後れが目立ちます。株(かぶ)を守りて兎(うさぎ)を待っていては進歩はありません」