(鶏を小さな集団に、牛を大きな集団と見なして) 大きな集団のなかで人に酷使されるよりも、小さな集団を選んで、その長となれという教訓。中国の春秋時代、蘇秦(そしん)が合従連衡(がっしょうれんこう)(同盟)の策を説いて、秦の属国などになるべきではないと、韓王(かんおう)に勧告したときに用いた句である。
〔類〕鶏口牛後/大鳥の尾より小鳥の頭/鯛(たい)の尾より鰯(いわし)の頭
〔対〕寄らば大樹の陰
〔出〕戦国策(せんごくさく)
〔会〕「おまえ、大企業から入社の誘いがいっぱいあったのに、全部断ったんだって」「ああ、鶏口と為(な)るも牛後と為る勿(なか)れって、おやじに厳しくいわれてね。自分で会社を興すつもりだ」「凡人には分からんよ。おまえの考えは」