親の苦労がやっと分かって、これからは親孝行をしなければと考えるころには、すでに親は死んでこの世にはいないことをいう。
〔類〕石に布団は着せられぬ/子養わんと欲すれども親待たず/風樹の歎
〔出〕歌舞伎(かぶき)・青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)
〔会〕「子供ができてはじめて親の苦労が分かったな」「そうね。私も小さいころ、ずいぶんわがままを言って困らせたものよ」「孝行のしたい時分に親はなし、か」「せめてお墓参りは毎年欠かさないようにしないとね」