(「時夜」は鶏が鳴いて黎明(れいめい)を告げること) 卵を見た鶏が、まだ孵(かえ)りもしない雛(ひな)を期待するあまり、誤って時を告げることをいい、手に入るかどうか分からぬうちから結果を予測して、あるいは一足飛びに結果を期待することにたとえる。
〔類〕生まれぬ先の襁褓(むつき)定め/飛ぶ鳥の献立/捕らぬ狸の皮算用/山の芋を蒲焼(かばや)きにする
〔出〕荘子(そうじ)
〔会〕「おい、試験のできはどうだった」「まあまあってとこかな」「よし。おまえがそう言うんだったら、合格間違いなしだ」「だめだよ父さん、卵を見て時夜(じや)を求む。そういえばこの言葉、試験に出たなあ」