美しい月が顔を見せたかと思うと、雲が覆い隠し、美しい花が咲いたかと思うと、憎らしい風が吹き散らしてしまう。とかく浮き世はままならぬことをいう。
〔類〕好事魔多し/寸善尺魔/花に嵐/花開いて風雨多し
〔出〕歌舞伎(かぶき)・薄雪物語(うすゆきものがたり)
〔会〕「恵まれない留学生のためにバザールを開こうと思うんだけど……」「それはグッドアイデアだ」「ところがね、なんだかんだと言って、周辺の住民が反対するんだ」「月に叢雲(むらくも) 花に風。せっかくの善行なのに、了見の狭い連中が多くて困るね」