(「抜く」は盗むこと) 月の明るい晩に釜のような大きなものを盗まれることから、はなはだしく油断をしていることにたとえる。
〔類〕鳶に油揚げを攫われる
〔出〕浮世草子(うきよぞうし)・西鶴織留(さいかくおりどめ)
〔会〕「ごめんなさい。座ったら、ついうとうとしてしまって……。目が覚めたら網棚に置いた荷物がないの」「まったく、月夜に釜(かま)を抜かれたようなもんだ。これからは、荷物はひざの上に置くようにすることだな」