夏のあいだだけ生きている虫は、世間に氷というものがあることなど知らないから、それを笑うということで、見聞の狭い人間が傲慢(ごうまん)に構えることのたとえ。
〔類〕井の中の蛙大海を知らず/井蛙(せいあ)の見/天水桶(てんすいおけ)の孑孑(ぼうふら)/葦(よし)の髄から天井覗(のぞ)く
〔出〕談義本(だんぎぼん)・根無草(ねなしぐさ)
〔会〕「いいか、若いうちにいろいろと世界を見て、見聞を広めたほうがいいんだぞ。そうしないと夏の虫氷を笑う、になってしまうぞ。海外にもどんどん行きなさい」「分かりました、お父さん。じゃあ、取りあえずそのための資金をお願いします」「……」