濡れた手に粟粒をつかめば、なんの苦労もなしにそのままついてくることから、骨折ることなしに物が手に入ることをいう。
〔類〕一攫千金/漁夫の利/濡れ手で粟の(つか)み取り/濡れ手で粟の打っ手繰り
〔出〕滑稽本(こっけいぼん)・浮世名所図会(うきよめいしょずえ)
〔会〕「おまえ、こんど莫大(ばくだい)な遺産が転がりこんでくるんだって……」「ああ、死んだおやじが家族に内緒でかなりの土地と株を持っていたらしくてさ。こんどそれを処分することになったんだ」「まさに濡(ぬ)れ手で粟(あわ)か……。末永くお友達でいような」