(「刎頸」は首を刎(は)ねること) 相手のためには、首を切られようと悔いないほどの、固い友情をいう。中国の春秋時代、趙(ちょう)の廉頗(れんぱ)将軍は、自分より身分が下の藺相如(りんしょうじょ)に、功績がないのに出世したことをねたんでいた。藺相如はこれを聞いて、なるべく廉頗と顔を合わせないように注意していた。藺相如の部下は、これを見て恥ずかしく思い、尋ねた。すると、「自分は廉頗将軍を恐れているのではない。しかし、いま戦えば2人とも傷つき斃(たお)れるだろう。国家を思って争いを避けているのだ」と答えた。これを聞いた廉頗は深く反省して藺相如に謝罪し、以来、刎頸の交わりを結んだという故事による。
〔類〕管鮑の交わり/刎頸の友
〔出〕史記(しき)
〔会〕「純子ったら彼氏ができたとたんに、連絡もよこさないし、たまに誘っても断ってばっかり」「やっぱり女性には刎頸(ふんけい)の交わりってのはむりなのかな」