寺の門前に住んでいる子供たちは、いつも読経の声を聞いているので、自然に文句を覚え、習いもしない経を読むことができるようになるというたとえで、人は環境によって、善人にも悪人にもなることをいう。
〔類〕勧学院の雀は蒙求を囀る/智者(ちしゃ)の辺(ほとり)りの童(わらべ)は習わぬ経を読む
〔対〕習わぬ経は読めぬ
〔出〕俳諧(はいかい)・毛吹草(けふきぐさ)
〔会〕「お宅のお子さん、まだ小さいのにずいぶんピアノがおじょうずですね」「門前の小僧習わぬ経を読むですよ。お隣がピアノ教室をやってまして、その音色を聴いているうちに、知らず知らずに音感がよくなったみたいです」