病気が治ると、世話になった医師のありがたさを忘れるということで、苦しいときに受けた恩義も、楽になれば忘れて省みないことにたとえる。
〔類〕暑さ過ぎて蔭(かげ)忘る/暑さ忘れりゃ蔭忘る/魚を得て筌を忘る/喉元過ぎれば熱さを忘れる
〔出〕譬喩尽(ひゆづくし)
〔会〕「ねえおまえさ、最近中村先生に連絡してるかい」「いや、このごろはまったく……」「病治りて医師忘るじゃだめよ。就職のとき、あんなにお世話になったんだからね」