唐の盧生(ろせい)が楚国へ旅する途中の趙の都邯鄲(かんたん)で道士呂翁(ろおう)から枕を借りて眠ったときに、夢の中で長い人生の栄枯盛衰を経験したが、目覚めてみると、ほんの粟(あわ)を煮るための短い時間にも足りなかったという沈既済の著した『枕中記(ちんちゅうき)』にある故事から、転じて、人生の有為転変、栄華のはかなさをたとえていう。
〔例〕「商売で成功し、多大な富を得て、大きな屋敷に住んでみても、人生は一炊之夢にしかすぎない」などと使ったりする。
〔類〕邯鄲之夢(かんたんのゆめ)/盧生之夢(ろせいのゆめ)